四十肩って肩の問題?

ある日
午前中と午後で二人の”四十肩”のお客様がいらっしゃいました。

一人の方は半年前からの四十肩
もう一方は一週間前からの四十肩

この後なんどとなく言いますが
「四十肩は 早めになんとかしたほうが身の為です」

理由はあとで。

そもそも四十肩ってどんなもの?

整形外科でレントゲンを撮って
「骨に石灰化物質が着いていてその棘がひっかかって痛む」とか
言われてしまった人は残念ですが
そうでない人は
筋肉の長さのバランスを整えれば痛みはなく腕も上がるようになります。

四十肩のざっくりとした解説

全ての間接に対の機能を持つ二つ以上の筋肉が関わっています。
たとえば肘間接には
肘を曲げる機能の上腕二頭筋や上腕筋
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肘を伸ばす機能の上腕三頭筋がついています。
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これらの筋肉はお互いに
片方が縮むと反対側が伸びることで
間接を曲げ伸ばししているのです。

ここでたとえば何かがあって上腕二頭筋が硬くなって伸びにくくなったとします。

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そうすると肘を伸ばそうと思うと伸びきる前に痛みを感じて
肘を伸ばしきれなくなってしまいます。

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これを肩関節に置き換えたのが
ざっくりとした四十肩の解説です。

つまり
腕を挙げる動きに関わるのは三角筋という筋肉で
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腕を下げる(脇をしめる)のは大円筋や広背筋、胸筋です。
なので
この大円筋や広背筋、胸筋などが伸びなくなると
腕を挙げにくくなる。
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というのが一応の解説になります

そしてセルフ整体でケアすべきもやはり
この筋肉が関わるのは事実なのですが

実は四十肩って 「肩」と付くわりに
単純に肩関節だけの問題じゃないんです。

四十肩って聞くと 肩関節を思い浮かべますよね。

洋服の脱ぎ着で肩が挙がらず辛い 洗濯物を干すのに不便。。。

だけど実は四十肩って「肩関節」だけの問題じゃないんです。

実験です。

胸を思い切り閉じてください。 そのまま腕を挙げてみてください。

どこまで挙がりますか? 90度以上挙がらないはずです。

なぜか

肩関節だけの可動域は 90度までだからです。
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それ以上腕を挙げようと思ったら 肩甲骨がぐるっと回らなきゃいけないんです。
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そしてこの「肩甲骨の動き」が 大問題なのです。
“四十肩なんです・・”と訴えるかたの胸は だいたい閉じています。
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そして胸が閉じた姿勢を後ろから見ると 肩甲骨が左右に大きく開いてしまっています。 四十10

この大きく開いた背骨と肩甲骨の隙間の筋肉は
ずっと引っ張られた状態でいるため
だいたい パンパンに張って伸縮する柔軟性を欠いています。
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この部分が動ける状態にならないと、
肩甲骨がスムーズに動くことはできない。 というわけなのですよ。

一般的な”肩こり”の原因と同じく
はじめは上腕二頭筋(力こぶの筋肉)が縮みっぱなしになります
これは単純に”よく使う(より多く縮む)筋肉だから。”

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四十肩もはじめはこの状態からはじまります。
この”肩こり”の状態は
胸が閉じ、肩甲骨が広がった状態となっています。

これをずっと放置していると 胸を閉じる機能のある胸筋や
前回出てきた”背骨と肩甲骨の隙間の筋肉”が二次的に固まります
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(動きが少ないから) 結果”肩甲骨が前から後ろからがんじがらめだから
腕が挙げられない”状態になってしまうわけなのです

ご理解いただけたでしょうか?